セイ鍼灸院ホームページ


複視は鍼で治る

20症例中治癒・完治(その後の確認が取れたものを完治とします) 

完治した患者の割合は40%

何らかの理由で中断してしまった患者さんで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

当院の治療で改善傾向(複視の二重像のズレ幅や傾き角度が縮小軽減した)
が認められたものを有効としたばあい

当院治療の有効率75%  (症例 1〜20)


・・・・・・・・・・・・最近の症例  (症例21〜29)


■ 複視の鍼治療<初めての患者は25年前でした>   ・・・・・・・・・ 複視の治療成績

 鍼治療と言うと、○○と言うツボは△△症状に効くとか、◇◇症状に効くツボはどこですか?と言うことになりがちですが、これは間違えのもとです。特定のツボと特定の疾患症状が対応する場合は確かにあります。でも、このツボは何に効く式の治療だと、効いたり効かなかったりの素人療法になりかねませ。眼の病気でよく使われるツボンに、手の陽明大腸経の[二間(じかん)]と[合谷(ごうこく)]があります。ともに手の背面、人差し指の付け根付近にあるツボです。ある書物に二間は「眼病一切に効く」と書かれれていて、ここに灸をすえていた鍼灸師の知人がいましたが、これで治ったとてもマグレ当たりのようなものです。
 それでは、どう治療すれば良いのでしょう。複視の原因は、眼を動かす筋肉(外眼筋)ならびに、その筋肉に信号を送る脳神経へ酸素を運ぶ微小循環の血行不良です。もっとも、小さな脳梗塞が隠れていたり、進行性の筋無力症の初期だったり、筋無力症の眼筋型などの除外診断は必要ですから、病院での検査は必ず受けなければなりません。なかには、窮屈病(きゅうくつびょう)と名付けたドクターがいますが、眼窩に対して眼球が大きいため眼球の動きが悪くなり複視が起きるケースもあるそうです。
 ですが、多くの場合、原因不詳で、微細な血行不良によるもののようです。そして、血行不良を治すのに鍼灸治療は最適の療法なのです。

 血行不良が続いている患者さんでは、舌の血色(舌診汚血)が暗く(暗紫色、暗い青紫〜赤紫色)なります。この舌の血色を正常のきれいな淡紅色に戻すことと、脈診での脈の打ち方(脈状)が強すぎず弱すぎず、硬すぎず柔らか過ぎずの和緩の脈となるように整えることが鍼治療の目標となります。そうすると、不思議なことに体は自然に抹消の毛細血管(微小循環)に至るまで血流が改善され、本来体に備わる自然治癒の機能が目覚めるとも言える状態になります。この治療を主とし、補助的に眼や症状に係わりの強い経脈の気血の流れを促進させることと、頚肩部の緊張が残るものにはこれを取り除く頚部への刺鍼を追加します。治療はこれだけです。刺鍼してしばらく寝ていていただきます。

複視に効くツボなんかありません
 私が初めて複視の患者さんを治療したのは、かれこれ25年も前のことになるでしょうか。当時、私立の総合病院内に「東洋医学科」と言う診療科目を作ってもらい鍼灸治療専門に勤務していました。患者のSさんは当時50代後半の男性でトラックのドライバーでしたが、複視が起こり検査入院していました。一通り検査が終わり、CT画像で脳にいくつか細かな梗塞の痕はあるものの無症候性のもので、特に複視の原因は見つからなかったと言うことでした。院長は私の鍼灸治療の実力を認めていて、このような現代医学で上手く対応できない患者に積極的に鍼治療を勧めてくださり、この複視の男性も「東洋医学科」を受診してきました。
 さて、私にとっての初めての複視の患者・・・に、治療の手引きもなく臨むのですが、別に不安に思うこはありませんでした。どのような患者が来ようとも鍼の治療は、顔を見て、症状を聞き、脈を診て、舌を診れば治療できるからです。このSさんは、反関の脈と言って、脈診を行う手首の橈骨動脈が通常橈骨の内側にあるものですが、これが左右とも完全に外側を通っていて非常に強い脈拍動でした。初めての症例で、さらに稀な反関の脈、ちょっと困りましたが、外は陽ですから、外にあって強いのは陽実証・・・と判断しました。赤ら顔で活気があり、こも陽実の現われです。ただ、舌がやや赤く、体格に対してやや小さい、苔が極めて薄く少ない、本来の脈診部位の沈位に脈が無い、などなどから、陽熱が盛んで陰が不足している状態と判断しました。
 治療は、先ず第一に、陽熱の有余を除き、陰を補うことになります。次に、補助として、眼の関連経脈の気の流れ促進することと、頚部の過緊張を取り除くを考えました。
 先ず第一の治療を開始し、脈状と舌の変化を観察しながら鍼の補寫操作していると患者さんが目をパチクリさせながら「あれぇ、治ってる」と言いました。一回目の治療、それも治療開始から数分のことでした。院長は、鍼治療で複視の患者が治ったことを知りよろこんでくださいました。鍼治療に理解のある院長でしたが、こう訊ねてきました。複視の治療には「どのツボを使ったの?」と。私の答えは「複視に効くツボなんかありません。」でした。
 東洋医学の理論に従うことが正しい治療、正しいツボの使い方になるのであって、このツボは何に効く式のツボ療法(民間療法)とはまったく次元を異にします。民間療法ではない、「東洋」の「医学」としてのはり治療が複視を治したのです。
 この患者さんは退院までの期間3回ほど鍼治療しましたが、一回目で治ってしまったきりで複視は二度と起こることはなく、退院後ドライバーの仕事に復帰しました。

原典にみる複視の記述
鍼灸医学の原典である《霊枢・大惑論篇》には、「五臓六腑の精気はみな上って眼に注ぐ」とあります。「五臓六腑からの精気によって、眼や眼筋など眼の付属機関や眼窩などが形成され機能が維持されている」と書かれています。そして、眼をかたちづくった筋骨血気の精は「脈とならんでつながりをなして上って脳に属し、その後、項(うなじ)の中央に出る」と記述されます。もし、「邪気が項に当たったときに、身体が弱って(虚して)いると、その邪気は深くまで入ってしまい、目系に随い脳に入る。脳に入ると脳が転じ眼系が引かれて、目系が急する。目系が急すると目が眩み転倒する。邪気がその精に影響すると、精に当たったばあい、精と邪気は相ならばず、精は散り散りになってしまう。精が散ると岐を視る。岐を視るとは両物を視ることである。眼は五臓六腑の精である。栄衛魂魄の常に栄養するところ。神気の生ずるところ。ですから、神を労すれば魂魄散り志意乱れ、これゆえ、瞳子黒眼は陰にのっとり(法)、白眼赤脈は陽にのっとる(法)。ゆえに、陰陽合して伝わり、しかして精明なり。目は心の使なり。心は神の宿る(舎)ところなり。ゆえに、神精乱れれば、突然常にあらざるところを見る。精神魂魄散れば(見るところを)相得ざるなり、ゆえに、惑と言う。」

精が散ると岐を視る。岐を視るとは両物を視る「岐を視る」とは一本の直線が別れて視えることで、当院へ来院の複視の患者さんも「天井の梁の直線が別れて視える」と言います。「両物を視る」は二重視、複視に他なりません。が、ただし、片目で二重視だとしたら、乱視の可能性もあります。
このように、《霊枢・大惑論篇》では、虚(身体の弱った状態)に乗じて項に受けた邪気が深く入り精を傷つけ、精を散らしたことにより複視ないし二重視が起こるとしています。目系を引き急して目が眩む場合の邪気は、たぶん寒邪などの陰性の邪気であると推測します。そして、精を散らし複視を起こす方は、陽性の邪気ではないかと推測します。それは、精は陰性のものだからです。散るという作用は拡散して広がる陽性の作用です。目が眩むばあいの、引きつりは寒邪(陰性の邪)の収斂作用によるものと思われます。
しかし、複視の患者さんを罹患・発症直後に診ることは、まず、ありません。早くても半年も経過してからです。

精は腎に蔵されます。「五臓六腑の精気」とは、その腎の精が各臓腑に分配されたものにそれぞれの臓腑の気が加えられたものと解釈します。複視の患者さんでは脈が細く弱く、特に六部定位脈診で左尺中腎の部位が細く虚しているばあい、腎精の虚損しているものと思われます。足の少陰腎経のツボ太谿(内くるぶしの後ろ)穴を鍼にて補って細く弱かった脈がすぐにふくらんでくるようならば回復力のある患者さんです。

また、 《霊枢・海論篇》には「髄海不足すれば、すなわち脳転じ、耳鳴り、脛力が抜けてだるく、眩冒して目見る所ない」と書かれています。脳梗塞後複視となった患者さの中には、文字を読むときに『視点が定まらない』と訴える方がいます。髄海の不足は、精の不足同様に腎陰虚として治療します。

経脈的には、手足の陽の経脈(手の陽明大腸経、足の陽明胃経、手の太陽小腸経、足の太陽膀胱経、手の少陽三焦経、足の少陽胆経)はすべて眼に連絡しています。陰の経脈では足の厥陰肝経のみが眼に連絡し、その後脳に入ると記述《霊枢・経脈篇》されています。陽経で脳へ入ると記述されるの、項を通る足の太陽膀胱経のみです。したがって、経脈的には肝経と膀胱経が複視の治療上重要と言うことになります。また、五行で肝は腎の子にあたります。腎精(腎陰)の虚は眼をつかさどるとされる肝を弱くすることにもなります。

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左上直筋麻痺による複視の回復過程


《鍼灸師の方へ》


複視の鍼灸治療のポイント 第1に【虚実補瀉】第2に【上頚部の圧痛の除去】



遠方で当院へ通院が困難な患者様は≪治療のポイント印刷用ページ≫を印刷し地元の鍼灸専門治療院ご相談ください。



■  複視の鍼治療<2人目の患者はネットを見て>


 病院勤務中(25年前)に最初の複視の患者さんを治療して、二人目の患者さんに出会ったのは5年前の平成20年のことでした。時代は、インターネットの情報社会に変わり、当院のホームページで複視が治った話を目にした患者さんでした。
 複視の患者さんこそありませんでしたが、上記の治療をしていると眼が明るくなるとか、老眼で眼がショボショボして何度メガネを作り直しても良く見えないかったのがスッキリしたとか、眼の症状が良くなることが、当院では、いわば、当たり前のことになっていました。



■ 複視の鍼治療成績 ■(症例1〜20)

患 者



(年齢/性別)

経過 と 治療

結 果

1.

病院勤務時のS
さん
50代/男性

発症直後検査入院、その入院中に鍼治療開始。

回目治療途中に治ってしまった。

治 癒 再発なし

2.

戸塚のSMさん


40代男性

眼窩の腫瘍(血管腫)切除手術後に発症。左の上

窩から頭蓋骨前頭部の一部をチタンに置き換えて
いる。主治医からは半年から一年で自然に治ると

われたと言う。平成20年6月23日〜8月21日の期間
に12回治療。

正面像はズレが完全になくなる。右外方を強く見

ときにのみ複視となる程度まで改善。その後、複

は完全に消失、治 癒。


ただし、手術部位のシビレは続く。

3.

川崎市SKさん


60代/男性

平成21年5月初回治療。今回は5か月前に発症し

が、2年前にもあったと言う。


「・・複視が起きてもここへ来れば治るから良いや」

言うがその後の受診なし。

5月中4回治療に複視消失。一時治癒


9月に再発、一回の治療で消失


12月に再発、一回の治療で消失

4.

藤沢市EUさん


40代/男性

3年前脳腫瘍(松果体腫瘍)手術後、複視発症。滑
車神経麻痺。主治医からは半年から1年で治と言

れたが、治らなかった。当院初診平成21年8月1

日。眼精疲労、眼の奥が痛い、頚肩部痛、その他

訴がある。


初回治療後、眼痛消失、他の身体愁訴も楽になる
も、複視は不変。8回目(8/27)複視にも軽減感

りと言う。15回目(10/11)眼科検査にて視野が
以前より広がっていると言われた。29回目(H22

1/17)「複視が少し良くなり、見るのが楽になっ
た」
と言うも、30回目(1/24)複視不変と言う。

平成23年8月〜23年3月の間に73回治療。


 他の愁訴とともに治療を継続し、徐々に複視の

のズレが近づいていて、本人「どこまで近づくの
か」
続けてみたいと希望。しかし、当初像のズレが大

く無視できていたものが、近づいたため「反ってう

とうしく」なってしまったと言います。


治療は震災後電車運休等を機に中止。

5.

相模原市Fさん


60代/女性

10数年前発症、プリズムメガネ使用。一回目治療
後、自転車で帰宅するのにプリズムメガネを使わ

に楽に走れたと言うも、2回目治療中、閉所恐怖症
からパニック障害が起きそうだと言う。

2回中止


備考:発症から長期に及ぶため効果は出にくいと
思われた。

6.

所沢市MSさん


50代/男性

平成23年9月眼の痛みが続き、同月29日複視発
症。病院MRI検査等特に異常なし。翌月10月29

当院受診。11月5日3回目治療時正面では複視消
失。足元を見る、首を傾ける等で出現。翌年1月31
日11回目治療時、正面正常、視線を変えた瞬間の
み複視となるが、一瞬のうちに正常になる。

治 癒


備考:発症後一ヶ月程ではり治療を開始したこと

良かったが、遠方のため治療間隔が開きがちで

った。


その後、眼の痛みや他の愁訴来院、複視は起き

いない。

7.

鎌倉市KKさん


60代/男性

複視は2〜3年前に発症。今回、頸椎捻挫、テニス
肘の症状もあり当院受診。平成23年2月6日。複

はプリズム眼鏡使用。複視は固定的と思われる。

初回(2/6)2回目(2/11)眼が楽でピントが合

やすく複視も軽減感ありと言うも3回目(2/11)

粉症症状とともに症状増悪。

平成25年4月他主訴にて来院、複視不変。

8.

多摩市HYさん


70代/男性

当院初診平成23年8月29日。複視発症は2年前
の平成22年10月で、当初は複視が出たり出なか
ったりしていた。病院検査はすべて異常がなかっ
た。右眼外斜視と右眼瞼に閉じ難さ(顔面神経麻
痺?)がある。


2回目(9/5)眼瞼の閉じ難さはなくなり、複視も日
毎良くなっているように思えると言う。3回目(9/
8)
起床時は複視全く気にならない。4回目(9/11)

視のズレは縮小している。7回目(9/30)正面は

レなし、右外方45度付近からズレ有り。久しぶりに
車の運転が出来たと言う。11回目(10/31)右

外上方、左眼外下方の外斜視が見られる。13回

(11/10)動く物はズレて見えるがテニスボール

打ち返せる。運転も無理なくできる。15回目(11

28)左右の外斜視は極々わずかとなる。右外方と
動く物はズレて見えるが正面及び左方向は正常。

6回目(12/9)左眼瞼が下がることがある。20回
目(H24/1/23)動く物に合うまで時間がかかる
が、右外方もズレずに見える範囲が広くなった。

二重視のズレは、


極わずかまで軽減




(備考)


左眼瞼下垂が検査の結果、筋無力症と判明し某

学病院入院加療となりはり治療は終了。複視症状
自体が筋無力症の眼筋型場合があるが、鍼治療
で複視は改善傾向が見られた。


高齢、発症から2年ということから、効果が出難い

思われたが、車の運転が無理なく出来、日常生活
に不便しない程度まで改善した。


だだし、筋無力症は進行性のため注意を要する。

9.

国分寺市HTさん

40代/男性

平成24年1月くも膜下出血手術。血腫を取り除き

血ヶ所をクリッピング、手術のため後頭骨右下の

部を切除。術後、水頭症を発症、シャントチューブ

術。複視は術後意識が戻った時から続く。起床時

頭痛と嘔吐がある。同年7月20日当院受診。

7月20日〜8月24日の間に、10回治療。
治療期間中に一度、「朝起きたら複視が治ってい

このまま治ってしまうと思った」ことがあったが、そ
の日の夜には戻ってしまったと言う。
10回にて中止

10

調布市OXXさん


50代/男性

くも膜下出血後複視発症。退院日が決り、外出許

にて来院。足取りがふらふらしているが運動機能

害はない。

一回のみ治療



腰掛けてドアノブを見て治療前よりズレが小さくな

ていると言う

患 者



(年齢/性別)

経過 と 治療

結 果

11

愛甲郡TKさん


60代/男性

当院初診平成25年1月12日。平成24年12月9

複視(左)発症。平素PCにて眼精疲労のところ大

まで車で往復しその翌日発症したと言う。うっとうし
いため瞼を押さえていたら眼瞼下垂となる。眼の明
るさに左右差があると言う。初回治療直後、この明
暗差は消失。頚肩部の強い凝りが消え気分爽快

と言う。3回目(1/17)眼瞼下垂は細く開けること
が出来るようになったと。治療中は気持ち良く、治

後は頭がスッキリすると。4回目(1/19)高血圧
症、薬でも140代以下にならなかったものが108
mmHgになったと。5回目(1/22)複視のズレは
徐々に縮小している
と。


東海大学病院入院検査のため中止。

鍼治療で改善傾向あり。






【東海大学病院入院にて、ステロイド剤大量投与

低周波通電療法にて治癒した。・・・と言うが、1月

2日時点で当院治療により患者は「ズレは徐々に
縮小している」と言っていました。】

12

横浜市HMさん


70代/男性

当院初診平成25年1月13日。平成24年12月1

日複視発症。医師に左上斜筋麻痺と診断され、自
然に治ると言われた。初回治療直後、変わらない

言うも、少し近づいたかと言う。2回目(1/18)治

直後、少し良くなったと言う。以降受診なし。

不 明

13

小田原市YNさん



50代/男性

当院初診平成25年3月10日。平成24年10月1

日くも膜下出血にて1週間意識不明。後、左眼外

筋麻痺により複視発症。外転筋麻痺により左眼が
内斜視状態となっていて、発症当初から30〜40

ンチの近くでは像が二重にはならなかったと言う。

回目治療(3/31)まで症状変化なしと思われた
が、5回目(4/7)手元30〜40センチだったの
が、
正面80センチまで像が一致。その後、治療回数を
重ねるごとに一つに見える距離が遠くなり、15回

(6/15)には正面はどんなに離れても二重にはな
らなくなった。一致して見える視野の角度も徐々に

がっていて、視線を移して像が一致するまでの時

も早くなってきたと言う。

7月までの治療で、中心視野50度の範囲内では

視の二重視は無くなった。が、その範囲外では二

視となる状態が続き、8月以降不変。症状固定よう
だ。本人は、日常生活に全く不便はなく、車も運転

きる。(10月現在)

11月2日約1ヶ月治療が間隔が開き来院。中央か
ら左外方25度では二重視となり、前回10月初旬

り若干の症状悪化か。または、発症より一年経過

ており、症状固定か、とも思われた。が、治療穴を

部変更にて治療したところ、中央から左外方28度
まで二重視なしとなった。8月以降左外方25度は

善されなかったものが改善したことは、発症からの
時間経過(6ヶ月)で症状固定と諦めることもないよ

に思える。あとわずかで60度の視野が正常となり

うだ。

改善傾向



































(治療21回目8月4日時点で、日常生活では複視
が気になることがない程度まで改善。






















(治療終了)

12月1日中央から左28度まで正常、その外側で
は二重視となるが、31回目治療の今回にて治療

終了とする。日常生活に全く不便はなくなってい
る。

14

板橋区YMさん


60代/男性

当院初診平成25年8月10日。今年3月複視発
症。当初は症状が直ぐに消え、出たり出なかったり
していた。複視は上下方向にズレて二重視となる
が、顎を上げて下目使いに見ると一致して見える

め、車の運転も怖くなくできる。6月ごろから、症状
の出現頻度と時間が増え、最近では複視になって

ること方が多い。

6回目治療(8/25)治療後は毎回、複視が消え、
眼がスッキリしたと言うが、前回までの経過では症
状の出現頻度に変わりはないようだ。

9月中旬10回目治療前後から複視出現率激減。
『99%起こらなくなった』と患者自身言うほど。大学
病院受診にて医師から『もう来なくて良い』と言われ
たと。

しかし、10月7日より症状再燃。『鍼治療前に戻っ
たようだ』と言う。



 8月10日に治療開始し9月中旬までに10回の

療を行い、一時、症状の消失をみたが、左記のよ

に10月7日受診時には症状再燃、治療前の状態
の戻ってしまったと言う。




 もう一度、以前と別の眼科医を受診するとのこと
で当院治療は中止となった。




 実脈(弦脈)が強く、やや数(熱)傾向があり、当

より進行するのではと思われていた。


 脈の弦数は原因不明の肝炎があることと関係し
ている。症状が再燃した10月には、数脈(熱)が

り顕著となっていた。一時期、症状が改善していた
ときには飲酒を控えていたものの、本人は飲酒と

状に関連がないと言い飲酒を続けていた。



 治療は弦数の脈を平らげることを目指していた

め。飲酒は逆抗するものと思われる。飲酒は陽盛
んにし、陽熱の亢進は陰分である精の不足につな
がり、また、擾上したばあいには目系の精を散ら

霊枢・大惑論篇上記参照)ことになる。
15
新宿区HSさん



30代/男性
複視発症から3年経過。プリズム使用。プリズムメ
ガネを作ったときよりも二重視のズレが広がり、メ

ネ使用時でも手元では像が合致するが少し離れた
ところでは二重視となる。仕事の都合で週一回しか
来院できない。
平成25年11月11日初診。以降週一回の頻度で
8回治療した(12月28日)時点で、当初、裸眼で

方80センチの距離で左横方向へ5センチズレて

えていたマークのズレ幅が半分程度に縮小。
平成26年1月4日9回目治療後、プリズムメガネ
使
用にて約1,5メートル離れたカレンダーの文字が
ほぼズレなく一つに視えると言う。徐々に合致して
視える距離が遠くなって行くものと思われる。
16
北海道TYさん



60代/男性
1年前に一度二重視となたが、このときは自然に

った。今年9月に再発し、水平線の左が下がって

える。病院にて右滑車神経麻痺と診断された。地

にて鍼治療を受けたが不変。
12月14、15の両日、2回治療。症状に変化な
し。
滑車神経麻痺発症から3か月経過のため、麻痺

(上斜筋)の委縮等から回復に時間を要すると思

れ、週2回の治療を5〜6週、その後、回復程度を
見て週1回の治療数週間継続する必要がある。
17
横浜市R I さん



60代/男性
本年(平成26年)1月に脳幹部脳梗で倒れ、3月
退
院。左半身の温度感覚の消失と、複視(左眼の滑

神経麻痺)となる。
平成26年3月27日初診。4月6日4回目治療。

手温度感覚が少し戻ったと言う。正面1メートルほ
どのところのマークのズレなしと言う。新聞やPCの
文字を読むとき文字がブレて定まらないのが最も
困ると言う。《霊枢・海論篇上記参照》 4月18日

回目治療。前回(15日7回目)の治療後眼の調子
が「非常に良かった」と言う。前回初めて左尺中の
脈沈位が良となった。腎陰が充実してきたための
効果である。海論篇に言うとおりで
4月29日11回目治療。眼は全く気にならないと言
う。
5月25日他の愁訴治療のため来院。複視症状の

発はない。
18
川崎市AO さん



30代/女性
10年前スノーボードで転倒し頭部を打った。その

は特に症状はなかったが、1週間後にめまいと吐

気が起こり複視を発症した。大学病院等の検査で

特に異常は見つからなかった。
複視は右眼の像が20度近く上方に見える。右眼

が下方を向く下方斜視で上直筋麻痺、動眼神経麻
痺が疑われる。
また、複視の他に次のような症状がある。
  • 右眼は焦点が合いにくく視力が弱い
  • 右眼球の奥が痛む
  • 疲れると右眼瞼が上がらなくなる
  • 注視している(または緊張する)と左眼が上

    視となる
  • 肩こり
  • いつも下痢(水様性)か軟便である
  • 夜間尿が3回前後ある
  • 生理痛がある



治療中断

平成26年5月10日初診
初診時に正面80cm先の約55oのマークの棒が
50cm以上上方へ離れて二重像が見えていたも

が、半分の25cmまで接近。
第2回目以降の治療は会社員のため週1回の頻

で行う。
第3回目5月25日治療開始時マーク5個分上方

ズレていた二重像が3個分まで接近。右眼が明ら
かに下方斜視であったが、外見上ほぼ中央へ位

するようになた。
第5回目6月8日、頭痛や眼の奥の痛みは起こら

くなった。注視緊張すると良い方の左眼が上を向く
は変わらず。
第6回目6月15日ズレはマーク2個半から2個分

で接近。
夜間尿は灸を加えてからはなくなり、水様性の下

もなくなったが軟便傾向はつづく。
生理痛は鍼にてすぐに治まるが、生理が来るとや
はり(+)。

第14回目8月9日。本日治療前のズレはマーク2
個分、治療後は1と3分の2個。
1個半から2個分のズレ二重像つづく。
以降来院なし。
治療ごは眼がとても楽になるとのことでしたが、発
症から10年経過していることと、治療間隔が一週
間に一度と間隔が開きすぎたため完治には至りま
せんでした。
19
埼玉県幸手市



TIさん60代/男
平成26年7月14日初診
約1ヶ月前上下方向への二重視が起こり、病院受
診。検査の結果、脳梗塞などは見つからなかった
が、高度の糖尿病が判明。インスリン注射となる。
複視は右眼の像が下方にずれるもので、下直筋麻
痺により眼球が上へ向く(上方斜視)ために起こ
る。
若干の斜め方向の傾きがあり、上斜筋麻痺も疑わ
れる。正面80cm先の長さ55mmのマークの棒が
下方に1,5個分ズレる。

 脈:有力 特に右関上実脈
 舌色:暗紫 苔:黄色く厚いベタついた膩苔。下痢
症状あり、ずっと前から下痢性だと言う。







治療中断
初回治療直後、1,5個離れていたマークのズレは
0,
5個分に接近。
遠方からの来院で中3日(4日目毎)の治療間隔と
なる。

3回目治療7月22日
治療途中マークのズレはなくなり、像が完全に一
致。
4回目治療8月9日
斜めのズレは消失。上下方向のズレは治療中は

くなり像の一致を見るが、効果が持続しない。
9回目治療8月15日
今まで、像の一致は治療中のみであったが、来院
前日の昨日像が一致し『昨日は楽だった』と言う。
脈有力はなくなり、左尺中やや細虚に変わる。項

右頭半棘筋の硬結圧痛(−)となる。
10回目治療8月19日
前回(9回目)とは一転。『昨日は最悪』でパソコン

視れなかったと言う。脈:有力  舌苔:黄色く厚い
ベタついた膩苔
治療中像は一致するも、本人『帰りには元に戻っ

ゃう』と言う。
・・・本人都合により、10回にて治療終了。実脈、

色い膩苔が治療にて軽減改善するが、次の来院

また再燃している。この原因は食生活にあるもの

思われる。糖尿発症により本人は食事に気を付

て血糖値は良好と言うが、野菜の摂取量を増やす
ため、油炒め調理して食べていると言う。これが

膩苔、実脈が治らない原因と思われる。陽性の邪
気により目系の精が散ると複視が起こると霊枢に
記されています。
20



*22
世田谷区RSさん



40代/女性
平成26年8月30日初診

8月18日海外旅行中に複視発症。モンゴルにて長
時間乗馬した後、急に視野が波打つように見え複

となった。緊急帰国し、脳幹梗塞の疑いで入院治

となったが、MRI画像再読影の結果、同疑いはなく
なり、退院。
左眼外転筋麻痺による複視との診断された。
複視のズレは、横方向で正面80cmの距離で55

mのマークが3個分外方に見える。右眼内斜視状

明瞭。

脈:細虚 舌:淡く暗紫

三陰交平補平瀉、太谿補、曲泉補、右丘墟、右手
足少陽経補、右瞳子リョウ(太陽穴へ向け)

治療間隔は1日置きとした。
治療当日から翌日までは治療効果が出て来やす
く、
その後、自ら治ろうとする力が働くと考えるが、治

体の状態を絶えず維持して置くには一日置きぐら

の治療頻度がベストと思われる。結果、比較的順
調
に治癒した。


ほぼ完治として治療終了





第1回目治療8月30日
途中にて、『瞬きするとマークが一つに視える』と

う。
『入院してないで始めからここに来てたら直ぐに治
ったのかしら?』と言う。

第2回目治療9月1日
問診漏れだが当初、斜め方向のズレがあったが

回治療後斜めのズレはなくなった。退院後不眠が
続いていると言う。三陰交平補平瀉補を多めにし

門補を加える。その晩はよく眠れたと言う。

第5回目治療9月9日
今まで家族に車で送ってもらっていたが、電車に

一人で来院。像は一致するが不安定で、視線を移
動すると二重視となりしばらく見ていると一致する

態。

第7回目治療9月15日
二重視は素早く左右に視線を移動すると一瞬起こ
るが、普段の眼の動きでは気にならない程度。

第8回目治療9月18日
『顔が正面を向いて眼が中央にあるとき、自分で

左を向いているように感じる』と言い、逆に『やや

側方を向いた方が正面い感じる』と言う。右眼内

視が残っているからか?

第9回目治療9月21日
二重視(複視)は日常生活で全く気にならなくなっ
た。

以上20症例中治癒・完治(その後の確認が取れたものを完治とします) 

完治した患者の割合は40%

何らかの理由で中断してしまった患者さんで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

当院の治療で改善傾向(複視の二重像のズレ幅や傾き角度が縮小軽減した)
が認められたものを有効としたばあい

当院治療の有効率75


 

詳 細

◆ 著効(治療回数1〜3回にて治癒したもの) ・・・・・ 2

◆ 治癒−Tー(治療回数 10回程度のもの)   ・・・・・ 4

◆ 治癒ーUー(治療回数 20回程度のもの)  ・・・・・ 1

◆ 治癒ーVー(治療回数 30回程度のもの)  ・・・・・ 1

◆ 改善傾向が見られるが治療中断したもの   ・・・・・ 7

◆ 不変・不明                     ・・・・・ 5

 
備考
 上記の症例中、あるものは舌診から汚血を除くことが主な治療となり、また、あるものは脈診から肝の陽気の過剰を寫して除くことが主な治療となり、また、あるものは気血の不足を補うことが主な治療となったり・・・・と、同じ疾患名でも患者ごとに治療の内容は変わります。

 また、治療開始時期が、遅い場合っが多く、もっと早い時期に治療を開始していればと言う例がいくつもあります。血行不良による麻痺の場合、血流が途絶えた神経細胞や筋肉の細胞は壊死してしまう可能性があり、壊死した細胞はもとには戻りません。6ヶ月をめどに症状固定と評価しますが、部分的に回復困難な状態にはもっと早い時点でなる可能性があります。血行不良の状態にもよりますが、血流が完全に途絶えれば数時間の内に壊死は起こるのです。可能な限り早く治療を開始して欲しいものです。症例の1.番目は、まさに早期治療開始の好例でした。
病院へ行く前に一度鍼治療を・・・・と言いたいところです。が、現在、医療の中心は医師ですので、先ず病院を受診して、入院検査を待つ間にでも、お越しいただきたいものです。


■ 複視の鍼治療成績 ■(症例21〜30)


患 者



(年齢/性別)

経過 と 治療

結 果

21
栃木県YKさん



20代/女性
(不変・中止)
平成26年11月01日初診
発症は昨年11月中旬。
発症原因、交通事故による頭部打撲によると思われる。本人は事故後一週間意識がなかったため記憶になく、意識が戻ると複視になっていた。水平位で左眼視野が右下がり傾斜(約10度)、水平位から下は良いが、上方は左眼球が
上を向かないため上下方向の二重視となる。滑車神経麻痺による上斜筋麻痺と動眼神経麻痺にいよる上直筋麻痺がある。動眼神経麻痺のため眼瞼下垂もある。
以前、東京都心の鍼灸院にかかったが効果がなく『半年経ってるから治らない』と言われた。
舌:暗赤色やや委縮して見える。苔:黄膩やや粗。脈:細虚、やや数(90/分)。
肩こり軽度(+)、項部左頭半棘筋硬結(+++)、第二頚椎横突起部圧痛(++++)。その他、冷えると下痢しやすい。

初診時治療直後、指を下から上へ移動し両眼で追わせると、眼瞼下垂がある左も右とほぼ同じ程度まで瞼が開くようになっているが、左眼球は水平位から上方へ動かない。右10度下がりの傾きも変わらず。






11月26日第5回目治療


水平位の右下がり傾斜が若干軽減したように思うという。治療後1日程度眼が楽であるという。






12月14日第8回目治療


水平位の右下がり傾斜、当初の10度から半減し5度程度になったという。水平から上の上下二重視は不変。





鍼治療後は楽であると言うので治療継続してきましたが(また、患者本人も治療を続けたい意向でしたが)、複視の改善は認められないため中止としました。
「鍼治療後は楽である」と言うの眼の自覚症状の増悪因子である眼精疲労が除かれためでしょう。
22
世田谷区RSさん


40代/女性
(症例20同一患者)



治癒
平成26年11月27日再来院。一週間前からコメカミに頭痛、眼頭、眼の奥が痛みマッサージにかかった改善せず、視点が合わない感じがすると言う。治療ベッドに仰臥位(上向き)に寝て足方向(下)を視るとカーテンレールが二重右下がりに見え複視再発(前回とは違うズレ)に気が付く。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



平成28年2月21日「後頭痛・眼の奥が痛む。複視の再発が心配」と言い再来院。
治療後は、極端な下目使いをしたとき以外は二重視にはならないと言い、日常生活にも問題ないため3回の治療で終了。







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



一昨年11、12月の治療直後、強く下を見たときのみ複視が残り「自分の足が4本見える」と言っていたが、その複視も直ぐに消失し以降、二重視はないと言う。
23
小田原市OKさん


50代/男性


(重症筋無力症)





改善
平成27年1月9日初診。昨年4月ごろから日内変動のある複視を発症し、病院検査にて重症筋無と診断され、入院、胸腺腫瘍手術。退院後ステロイド治療継続中に当院受診。
正面のマークを視ると左眼の像が外上方にズレて見える(外側直筋と下直筋の筋力低下)。
やはり日内変動があり、夕方疲れるころ増悪する。複視の他、左手握力低下(右57kg:左43kg)。





その他、以前から足がほてる、手掌発汗が著しい、耳鳴り、不眠等あり。ステロイド剤副作用にて下痢。
概ね治療後は眼の調子が良く感じられるも日内変動↑↓あり。握力は治療の度回復し、7回目治療時には右57kgに対し左53kgに回復。この時期から複視もボーゥッとしていると二重になるが集中して見ると一致して視える状態に改善。
9回目治療中は複視は全く起こらないと言う。
10回目治療、握力右57kg左56kgに回復。複視は視線を移動しても一致して視える。
11回目治療、夕方ボーゥッとしていると二重になることがあるが直ぐに治ると言う。

足のほてりは完全になくなり、手掌発汗もかなり軽減、耳鳴りは変わらず、不眠は改善、ステロイド剤副作用の下痢は変わらず。
*知人(紹介者)からの情報では、その後複視は起こっていないと言います。
24
川崎市KMさん


30代/女性



(重症筋無力症)
平成27年1月29日初診。2年前から複視発症。重症筋無力症眼筋型の診断を受けている。左右ともに内斜視(外側直筋マヒ)。プリズムメガネ使用。 1回のみの受診のため経過不明。
25
狛江市KHさん


50代/男性



ほぼ完治
平成27年3月20日初診。本年1月初めに発症。糖尿病があり下肢の一部が壊疽し、切除手術のため入院した際、ストレスにより高血糖が続き発症。左外転神経マヒ(外側直筋マヒ) 3月20日から5月7日の間に12回治療
治療の度毎に複視の横ズレ幅は小して行き、近くのものから順次遠くのものが一致して視えるようになる。
11回目治療時には静止していれば遠くの景色も一致し視えるようになる。「鍼治療の翌日にはグ〜ンと良くなる」と言う。
12回目治療(5月7日)時「TVも普通に視れるようになり、動きのあるものも大丈夫」と言う。ただ、極端に外方を視る角度では二重視が起こるが、日常生活には支障がないため治療を終了とした。
【その後(6月2日)の連絡】
『その節はお世話になりました。まだまだ左方向は症状がありますが、正面はほぼ大丈夫で車の運転もできます。
先日、神経内科を受診したところ、本来の動きがであれば、4,5以上のところまで戻っているとの診断でした。ありがとうございます。』とのことでした。
26
町田市NAさん


50代/女性



治療継続中
平成27年4月25日初診。発症は半年ほど前白内障手術をしてから、車を運転中にガードレールが内側に曲がり込んできたと言うが、それ以前にもバレー舞台を観ていて一人のバレリーナが二視えたことがあると言い正確には不明。白内障手術までは右眼の視力が充分でなく右眼ではよく見ていなかったからだろうと言う。
既往症として、3年前同側(右)眼瞼下垂手術。
複視は右眼外側直筋マヒによる横方向のズレで、日内・日差変動があり疲労時に増悪すると言う。
重症筋無力症眼筋型が疑われるが診断はないと言う。握力を連続して測定たが著しい低下は無かった。
その他の症状、同側(右眼)黄斑浮腫。
当初正面80cmのマーク(5cmの横棒)では二重視にはならず、130cmも距離で1cmほど間隔が開いて2本に視える。伏し目遣いで視るとズレ幅が広くなり傾きも生じると言う。
仕事があるため週1回程度治療で変化を観察したが、13回目(7月24日)治療まで症状の改善は不明。ただ、治療後眼が楽な感じはあるようで「眼は比較的良い」(11回目7月10日治療時)と言うこともあり、何よりも「運転中ガードレールが内側に曲がり込んで視えることは鍼治療開始以来ない」と言う。
14回目(7月31日)治療時、130cm前方のマークのズレ幅0.5で重なってい視えるとズレ幅縮小。
15回目(8月7日)治療時、130cm前方のマークが集中して視ると一つに視えると言う。先日眼科診察にて黄斑浮腫は消えたと言われたと言う。



(・・・・療継続中)
27
茅ケ崎市KNさん


40代/男性



(重症筋無力症)
入院中断
平成27年5月22日初診
本年1月初旬複視発症し、一時緩解したが、
2月中旬以降増悪。病院受診すると過労やストレスなどからの脳神経マヒと言われ、ステロイド治療を受けたがあまり改善せず。
複視のズレは正面80cm先のマークが40cmほど上方にもう一つ視える。平素は下方の物が正面にかぶさって視えると言う。症状は日内変動があり、入浴にて軽減すると言う。
その後、北里大HP受診、重症筋無力症にて入院治療となる。
初診時治療直後、上方40cmのズレ幅が15〜20cmに縮小。
2回目治療(5月26日)本人「眼の動きが良くなった」と言う。
3〜5回目治療(6月2、8、22日)では、治療前、正面130cm先で上下方向20cmのズレ幅が10cmに縮小、治療後は「瞬きが楽」と言う。治療間隔が開きすぎると症状は増悪傾向があった。
(入院治療のため中断)
28
横浜市USさん


50代/男性



治癒
平成27年7月5日初診。
既往歴;昨年9月仕事中事故で胸部に重症を負い、胸部骨折、肺再建手術で長期入院。
複視発症は本年6月22日。前記退院後職場復帰し1ヶ月ほど経ったころ複視となったと言う。昭和大HPの眼科、脳神経外科受診。検査に特に異常はない。
複視は右眼外側直筋マヒ(外転神経マヒ)による横方向の二重視で、当初眼から20cmの至近距離で像が一致するだけでした。また、右まぶたがが下がるようなとき複視もひどくなると言っていたが、鍼治療過程で眼瞼下垂が起きなくなったのか、本人がそのことを忘れていた。
初診時治療直後、治療前眼から20cmまでだったものが、60cmの距離まで像の一致を見る。
2回目治療(7月9日)80cmまで一致。
3回目治療(7月19日)仕事の都合上治療間隔が開く。プリズムメガネを使用して車運転にて来院。メガネなしでも、朝テレビを視るときは良いと言い、本日は「正面のズレはない」と言う(室内で)。
4回目治療(7月26日)朝は良いが夕方疲れると二重視が現れる。
5回目治療(8月2日)複視症状なしと言う。プリズムメガネを使わずに運転して来たと言う。
再発の可能性はないかと訊いてくる。可能性はあります。眼が気になればすぐに受診してください。
(治癒にて終了)



発症から2週間以内と言う早期に鍼治療を開始したことが、5回の治療での治癒に結びついた理由と思える。
29
稲城市KRさん



50代/女性
平成27年7月27日初診。
発症平成27年1月5日。朝目覚めると二重視になっていた。右眼外側直筋麻痺(外転神経麻痺)と診断。その後6月に一時改善していたが、7月になり再燃。
初診時正面80cm先のマーク(約5cm横棒)が右横に約10cm離れて二重に見える。
初診時治療直後、特に変化なし。
第2回目治療、7月31日。起床時は良いと言う。
その後受診なし.
第3回目治療、8月27日。「朝(起床後しばらく)は症状なし」の状態が続いていると言う。治療は11時からであったが、治療後正午になっても本日は「症状なし」と言う。
治療継続中


症状が気になるうちは


早めに受診して欲しい

30
西東京市THさん



50代/女性
平成27年8月2日初診。
発症平成27年5月31日。右眼外側直筋麻痺による複視。当初右眼球は外方向へ全く動かなかった。入院投薬治療にて動くようになったが、著しい内斜視状態であった。
強度の近視。徐脈(48/分)。
第1回目治療。

眼から指を遠ざけて行き一致して見える距離(眼指距離)、治療前20cmが、治療後30pに伸びる。


第2回目治療(8月4日)

正面80p先のマークのズレ、前回右へ1,2個分開いていたものが、今回治療後3分の1個分に接近。


眼指距離、治療前30pから治療直後38pに。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
当初、順調に回復しそうに見えたが、途中一進一退を繰り返し、治療回数39回にてほぼ治癒と言うことで治療終了。
ほぼ治癒と言うのは右側方40度から外に二重視が残っているためだが、生活上支障がなく、やがて治って行くものと思われる。
備考》治療途中一進一退を繰り返した時期、主治医(眼科医)は「急速に治っているため、脳神経が混乱しているのだろう・・・」と言っそうです。主治医受診の度に「ずいぶん良くなりましたね」と言われたといいます。
31
横浜市STさん



40代/男性
平成27年8月11日初診。
発症平成27年7月24日。脳腫瘍の治療で脳血管カテーテル(脳血管塞栓)術を受け滑車神経マヒとなり複視発症。医師から「自然に治る」と言われたが治らなかったため当院受診。複視は右眼で水平線が左20度下がりに傾く。その他、右聴力低下70%、右三叉神経の上顎神経、下顎神経の皮膚知覚鈍麻など。
初診時治療、2回目治療(8月11日)複視の水平線の傾き(左20度下がり)不変。頭がスッキリして、顔面が動かしやすくなった気がすると言うが、右頬から顎の皮膚知覚鈍麻は不変。



〜〜〜〜〜〜以降、来院なし〜〜〜〜〜〜〜





患 者



(年齢/性別)

経過 と 治療

結 果







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■ 視力低下・乱視


複視の治療と同様のちりょうで視力回復や乱視の軽減などの効果もあります。これは眼全体の血流改善によるものです。

■ 治療頻度と治療期間

最初の